第19日目雑学

ソブリン金貨メアリー1世 有料記事
メアリー1世を描いたソブリン金貨

ソブリン金貨 sovereign

ソブリン金貨 テューダーローズ
テューダーローズが描かれたソブリン金貨

テューダーローズとはランカスター家の赤薔薇とヨーク家の白薔薇を重ねたデザインの紋です。

ソブリン金貨とは

”Half a guinea if you do it in twenty minutes!“がゴドフリー・ノートンのセリフなら、
“‘The Church of St. Monica, John,’ she cried, ‘and half a sovereign if you reach it in twenty minutes.’はアイリーン・アドラーの、
そして“The Church of St. Monica,’ said I, ‘and half a sovereign if you reach it in twenty minutes.”と“ The bride gave me a sovereign.”はホームズのセリフです。

当時のイギリスでは、ポンド、シリング、ペニーという通貨単位が用いられていました。

・1ポンド=20シリング
・1シリング=12ペンス(※ペンスはペニーの複数形)

guinea「ギニー」やsovereign「ソブリン」というのは金貨の名前で、1ソブリンは1ポンドに相当し、1ギニーは21シリングに相当します。半ソブリン、半ギニーという金貨もありました。
ギニーや半ギニー金貨が発行されたのは1813年までで、ホームズの時代にはソヴリン金貨の時代になっていましたが、医者や弁護士などの報酬にはまだギニーが使われていたそうです。(報酬の相場は1ギニー)

ソブリン金貨の歴史

ソブリン金貨は最初に発行されてから現在にいたるまで500年以上発行が続いています。

最初のソブリン金貨はヘンリー7世の時代である1489年に発行され、通貨として使われていましたが、(量目240グレインの金貨が20シリングと等価)、通常ソブリン金貨という場合は19世紀前期の金本位制施行により登場した新しい金貨のことをいいます。

最初のソブリン金貨は、それまで流通していた天使を描いたエンゼル金貨にかわり、玉座に坐るヘンリー7世が描かれました。Sovereign「ソブリン」は君主や国王という意味があることから、ソブリン金貨と呼ばれます。

多くのソブリン金貨で、裏面にはキリスト教の聖人「ゲオルギオス」が竜を退治している姿が描かれています。なお、当時のイギリス硬貨にはほとんどの硬貨に額面表示は無く、大きさと重量で額面を表していました。

セントジョージと竜を描いたソブリン金貨
セントジョージと竜を描いたソブリン金貨

その後、ヘンリー7世からヘンリー8世、そしてエリザベス女王へと国王が変わるごとにソブリン金貨の大きさや価値も変わっていきます。ヘンリー8世の時代は22シリング6ペンスで、20シリングと等価とされた金貨は200グレインに量目が減らされました。エリザベス1世女王の時代には30シリングとなり、これとは別に20シリングの1ポンド金貨も鋳造されました。

この旧ソブリン金貨は1604年に鋳造が打ち切られ、以後はユナイトと称される20シリングの金貨が発行されるようになり、デザインも国王の横顔に変わりました。

1663年にはユナイト金貨に代わりギニー金貨が発行されるようになり、以後19世紀初頭まで金貨はギニー金貨のみとなります。ギニー金貨の表面にも国王の横顔が描かれており、デザインはユナイト金貨と似ていました。

ソブリン金貨王の横顔
王の横顔を描いたソブリン金貨

新ソブリン金貨

イギリスが金本位制度を採用し、1816年貨幣法が制定されると新しい本位金貨として新ソブリン金貨が誕生し、1817年から鋳造がスタートして(兌換開始は1822年)、1917年まで発行されました。

国際通貨として信頼されていましたが、世界恐慌でイギリス経済が疲弊し、金の価格が高騰したことからイギリスは金本位制をやめることになります。その後はソブリン金貨は記念硬貨として発行されており、1974年からは地金型金貨(投資用)として取引されています。

新ソブリン金貨は発行枚数が多かったため、ほとんどは地金価値で取引されます。ただし発行枚数が少ない年のものであればプレミアがつくものもあり、一口にソブリン金貨と言っても価値は様々で、存数の少ない年号のソブリン金貨ほど希少価値が高いということになります。

なお金の純度は全てのソブリン金貨に共通して91.67%、直径は22cmです。(ソブリン金貨は偽物が多く出回っていますので、入手する場合は注意してください)

イギリス本国でだけでなく英植民地でも発行・流通しましたが、鋳造所は「ミントマーク」で判別できます。

M:メルボルン、P:パース、S:シドニー、C : オタワ、SA:プレトリア、I:ボンベイ