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雑記‐返還後27年を経た香港を歩いて

旺角の街
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2024年10月25日~28日まで、約30年ぶりに香港の街を歩いてきました。

香港は、今どんな様子なの?

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香港へ

この度数日間海外へ行ける時間的余裕が持てたので、まだ足を踏み入れたことがなかったマカオを訪れると共に返還後の香港も訪ねてみることにしました。

香港へは、かつては年に数回訪れて、活気ある街の雰囲気を楽しんでいたのですが、ちょうど香港が中国へ返還される時期に新しい家族が増えることになり、気軽に香港へ行くことができなくなって、そのまま訪れる機会がないままになっていました。

1997年7月1日に英国から中華人民共和国へと主権が返還された香港。あれから27年経って、街はどう変わったのでしょう。政治的にも金融的にも素人ですので、単なる一香港好き旅行者の感想ではありますが、よろしければお読みください。

景色が違う

消えたネオンサイン

九龍半島を南北に貫く目抜き通りであるネイザンロード(Nathan Road)。MTR(地下鉄)から地上に上がり、この道路に立つと、道の両端から横に向かってせり出すネオンサインがいやでも目に飛び込んでくるはずでした。

が、今やそのサインはありません。

2024年10月ネイザンロード

香港の象徴であった華やかな看板群は、2010年の建築法改正以降徐々に撤去されはじめ、2020年までには9割が姿を消してしまったのだそうです。その理由は下記の英文をお読みください。

The removal of neon signs in Hong Kong has primarily been due to a combination of safety concerns, urban modernization, and government regulations.

実際古いネオンの落下事故も起きていたそうで、安全を考えると致し方なかったのでしょう。でもせめて、人が立ち入れない一画を作り、そこに昔の雰囲気を再現したネオンサインを新たに作り直して掲げ、往時を偲ぶことができるような場所があればいいのにな~、と思ったのですが、下記のような事情があったそうで、それも難しかったのかもしれません。

Neon masters, known as “si fu” in Cantonese, have been reluctant to pass on their knowledge to others.

その結果、ネオン職人の多くはその作り方を秘密にしたまま亡くなっていっているのだそうです。

一方で、下記のような動きもあります。

Some are trying to preserve and elevate neon as an art form.

その例を幾つかご紹介しておきますね。

●映画:「燈火(ネオン)は消えず」A Light Never Goes Out 
製作年, 2022 ; 公開年月日, 2024年1月12日 ; 上映時間, 103分 

消えゆく香港のネオンサインに焦点を当てた映画。映画の中では、香港におけるネオンサインの歴史や文化、取り壊されていくネオンサインを守ろうとする人々の活動の他、ネオン職人の手仕事の様子も伝えてくれるそうです。

輝かしいネオンの灯りを通して、香港映画ももっともっと輝いてほしいという気持ちを込め、サイモン・ヤム(Simon Yam)はこの映画にノーギャラで出演したのだそうですよ。

予告編

●継承者:カレン・チャン

チャンカルン(Chankalun)というアーティスト名で知られるネオン・アーティストのチャンは、香港のネオン遺産を守ることに情熱を注いでいます。学んだことを本にまとめる他、世界中のネオン・ライトのマスター6人と協力して6つの特徴的な作品を制作する「The Neon Girl 」というプロジェクトに取り組んでいます。

“Hong Kong’s young ‘neon nomads’ keep dying trade flickering” from HKFP

写真はわずかに旺角に残っていた、昔ながらのネオンサインです。

わずかに残ったネオンサイン

変わった顔ぶれ

相変わらずネイザンロードにはたくさんの人が行き交っていました。

でもその顔ぶれが昔とは違いました。

昔は日本人旅行者をよく見かけましたが、今回は3日間で1組しか見かけませんでした。旅行者としては圧倒的に中国本土からの観光客が多いようです。また、以前よりも、フィリピン人やインド人の姿が増えていました。彼らの中には旅行者らしき人達もいましたが、香港で生活していると思われる人たちも多くいました。

変わった景色

以前は、九龍半島の先っぽ、つまりネイザンロードの終点には、目だった建物はリージェントホテルぐらいしかなかくて、海と香港島に向かってすこーんと開けた空間が広がっており、その風景が好きだったのですが、今回行ってみると商業ビル、文化施設、オフィスビルが立ち並んでいて、リージェントホテルがすっかり目立たなくなっており、おどろきました!

そのリージェントホテルも、2001年から2020年までは「インターコンチネンタル香港」にリブランドされていたとのこと。その後3年かけて改装され、2023年11月8日に「リージェント香港」に名を戻し、同じ場所に復活したところなのだそうです。わたしにとっては憧れの、Regentの文字が見られて良かったです!!

(泊まったことはないんですけど)リージェント香港のロビーは、海に向かって一面ガラス張りになっていて、どーんっと広がる光景が清々しく、また、ガラス張りである理由が「九龍半島の龍の動きを妨げないため」だと聞いて、世界的大企業も香港にあっては風水を重んじる姿勢にいたく感銘を受けたものでした。

ホテル周辺では、今なお建築が続いている様子ですが、この状況は風水的に大丈夫なのかな?と思い調べてみると、企業も政府も、今も風水師をコンサルタントとして起用することが一般的であり、建物が密集しているエリアでも建物の配置やデザインを工夫して、建物に穴(「龍の穴」)を設けて龍が通れるようにする、「龍の道」を遮らないようにする、気の流れを妨げない、といったこことが考慮されているそうです。

香港ディズニーランドの設計にも随所に風水が反映されているそうですよ。

決済システム

事前の調べでは、香港では、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済が広く普及しているとのことだったのですが、今回利用した飲食店では、ネイザンロードの路面店にあるような店でもクレジットカードが使えないところが多く、戸惑いました。(以前は現金に両替して使っていたので、クレジットカードはほとんど使っておらず、使用可否状況の比較はできないのですが)

中国本土からの観光客が多いからだと思いますが、クレジットカードよりも「銀聯(UnionPay)」や「支付宝(アリペイ)」「微信支付(ウィーチャットペイ)」など中国系の電子決済を優先している印象です。

下記はネイザンロードのお粥屋さん。現金が残り少なく、かつ、クレジットカードが使えなかったので入るのを諦めたのですよ…。

決済方法にクレジットカードが含まれないネイザンロードの飲食店

下記の1軒(「祥興記上海生煎包 (Cheung Hing Kee Shanghai Pan-fried Buns)」)を除き、どの店でも現金は使用できましたので、現金を充分に準備されるなら心配ないと思います。わたしは日本円1万円分しか換金していなかったので、物価の高い香港では3日と持ちませんでした(当然?)。
※香港ドルは1ドル約20円。貝柱のお粥1杯+腸粉1皿+油条1本=68香港ドル=1,360円

この店は現金不可

八達通(オクトパス)という、SuicaやPASMOなどのような非接触型のICカードでも支払い可能です。オクトパスは公共交通機関以外にも、コンビニ、レストラン、薬局、カフェ、映画館などでも使えるそうで、居住者には大変便利だと思いますが、旅行者が使用する場合は最後に返金する手間がかかることと、3か月未満で返却する場合には9香港ドルの手数料が引かれることから、今回はオクトパスカードを用意しませんでした。

少し前までは旅行者も、公共交通機関を使うためにオクトパスカードを持つのが一般的だったようですが、現在はMTRやエアポートバス(路面バスは対象外)には、非接触型のクレジットカード(Visa、Mastercard、または銀聯)やスマートフォンのデジタルウォレット(Apple Pay、Google Pay、Samsung Pay)で乗ることができるようになっているため、オクトパスカードがなくてもスムーズに移動ができたのです。

この改札からクレジットカードでMTRに乗れます

しかし、現金が残り少なくなり、クレジットカードを使える店が見つからず、キャッシングも上手く出来ない…(ATMに英語表記がなく、どこを押せば良いかわからない☞それっぽいボタンを押したら言語は選べるようになったものの、最後に暗証番号が違うといってはねられる。2枚のカードで試したけれどどちらも🙅。番号は違ってないのに!!)、そして近くに両替商もない!という事態になった時に、「オクトパスカードを作っておけば良かったな」と思いました。

ちなみにこれ、香港繁華街のど真ん中にある尖沙咀での出来事です。他の場所でクレジットカードが使える店を探すのは更に困難なのではないかと思われます。

ということで、香港では(わたしのように面倒がらず)オクトパスカードを持っていた方が良さそうです。

旅人の感傷

街ゆく人々の顔ぶれが違うのですから、街から感じるエネルギーが違うのも当然かもしれませんが、過去に香港を訪れる度に感じていた、渦巻くような熱気を今回は感じませんでした。

【糖朝】とか【許留山(ホウライサン)】といった、昔通ったスイーツショップもなくなって、もう自分の知っている香港はなくなり、違う街になったんだな~、とちょっとしんみり。
※日本の「糖朝」は、香港の本店からライセンスを受けて日本の会社が経営しているため、香港本店が閉店した後も引き続き営業を続けています。香港の「糖朝」と同じメニューや雰囲気を提供していますが、実質的には別の会社なのだそうです。

マレーシアの片田舎に生活して、刺激のない日々を送っていたあの頃のわたしに、活力を与えてくれた街が香港でしたので、少々感傷的になってしまいましたが、この街が経験してきた大きな変化を思うと、その中を生き抜いてきたこの街と、ここに暮らす人々に愛しさを覚えました。

心の中で、九龍半島の龍に、訪問させてもらったお礼を伝え、新生香港の発展を願ってこの地を後にしたのでした。

香港のビクトリア・ハーバー

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講師について 

🌸英語講師/英語学習コンサルタント EnglishTutor_Naoko🌸
世界を旅する元CAの英語講師です!
英語を使って生活するか、働くか。 常に英語と共に生きてきました。

【好きな時に、好きな場所で、好きな仕事だけをする】 という夢をかなえた今は外国を巡りながら オンラインで ・英語講師 ・英語学習コンサルタント ・英語教材作成 をしています。

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🌸経歴🌸
元客室乗務員です。5年半の乗務の後、退職してカナダへ。カナダに永住するつもりで日本をはなれましたが、家族の仕事の都合でカナダ→シンガポール→マレーシアと転居し、長年海外生活を経験した後で日本へ帰国。

帰国後は0歳~成人までを対象に保育園、公立小学校、大手英会話学校、家庭教師、個人運営クラス等で英語指導をする他、
国立研究開発法人で国際共同研究サポート&秘書、
大学病院で英語担当医局秘書、
大学で国際共同研究参画等20年以上英語を使って仕事をしてきました。

2019年に個人事業主として独立し、以降 「好きな時に、好きなところで好きな仕事だけをする」スタイルで、主に下記の3本柱で仕事をしています。

●オンラインの英語学校で「英作文添削」「発音指導」「学習コンサルタント」を担当しています。また、自分で開発した教材を使って「論理的な英文を書く方法」 「医療従事者向け病院で必要な英会話」 の指導もしています。

●個人では 世界を巡りながら、 世界の「今」を体験し、英語指導、 英語学習指導に活かすほか、最新の英語を取り入れた 英語学習教材の開発に取り組んでいます。

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