海外でも「おいしい日本のごはん」が恋しくなること、ありますよね。
カナダで「おいしい日本米」を探すのは意外と難しくありません。現地のアジア系スーパーでは、日本からの輸入米だけでなく、日本のジャポニカ米をルーツに持ち、北米で栽培された「カリフォルニア米」も豊富に取り扱っています。
この記事では、実際にカナダ(オンタリオ州)で日本米に近い味と食感を楽しめるお米を探してきた筆者の体験をもとに、「カナダで買えるおすすめの日本米風ライス」と選ぶときのポイントや買うときに役立つ英語表現を紹介します。

カナダではどんなお米が手に入るの?
カナダで手に入る「日本米」とは?
カナダでは、日本からの輸入米だけでなく、一般のスーパーやアジア系ストアでも「日本米に近い」お米を手に入れることができるほか、インターネットでも入手できます。
以下の見出しごとに特徴やおすすめポイントを整理しましたので、参考にされてください。

1. 日本からの輸入米
購入場所
- アジア系スーパーマーケット(韓国系・中華系など)
- 日本食材店
- 価格帯・特徴
- 日本産のまま輸入されているため、品質は確か
- 輸送コストや関税がかかるため、日常使いにはやや高価
- 和食やおにぎりなど、本来の「日本米」を楽しみたいときに最適
2. 現地生産のジャポニカ米
ジャポニカ米(Japonica Rice)とは
本来の定義
・日本で栽培されてきた短粒種(short grain)
・もっちりとした食感と甘みが特徴
カナダ・アメリカでの扱い
・中国、韓国、カリフォルニアなど海外で生産された「中粒種」も含めて呼ばれる
・「日本米に近い食感と風味」を手ごろな価格で楽しめる
Calrose(カルローズ)
- 代表品種
- カリフォルニア州で改良・栽培されている中粒種ジャポニカ米
- もともと日本の品種をベースにした品種
- 「カリフォルニアの薔薇」という意味
- 特徴
- ほどよい粘りと香りがあり、日本米に非常に近い食感
- 寿司や丼ものによく合う
- 冷めてももちもち感が残るため、お弁当やおにぎりにも使える
- 購入時の名称
- 一般的なスーパーやアジア系ストアでは「Sushi Rice(寿司ライス)」という名称で販売されていることが多い
- 「Sushi Rice」という名称は厳密な品種名ではなく、主に中粒のCalroseを指す商品名として使われるケースがほとんど
「Sushi Rice(寿司ライス)」という名称について
商品名としての扱い
・本来は「寿司に向くお米」という意味の一般的な呼び方
・多くの場合、中粒種のCalroseを指すが、メーカーによって粒の長さや品質に若干の違いがあることも
選ぶポイント
・パッケージに「Medium Grain」や「Calrose」と表記があるかチェック
・価格とレビューを見て、粘り具合や炊き上がりのレビューが良い製品を選ぶと安心

3.まとめ
- 「Sushi Rice」という商品名は、主にCalroseを指すことが多く、そのまま寿司や丼ものに活用できる
- 日本からの輸入米は品質は確かだが、価格が高めであるため、特別なときに利用するのがおすすめ
- 現地産のジャポニカ米(Calroseなど)は、手ごろな価格で「日本米に近いもっちり感」を楽しめる
購入時のチェックポイント
- 「短粒種・中粒種」を確認
- パッケージに “Short Grain” とある場合は短粒。
- “Medium Grain” とあれば中粒。多くのジャポニカ米は中粒に分類される。
- 原産地と品種の表記
- カリフォルニア産 Calrose 系なら、日本米に近いもっちり食感が期待できる。
- 日本からの輸入米(コシヒカリ、あきたこまちなど)は品質が確かだが高価。
- 袋の中身が見える場合は目視でチェック
- 割れ米(broken rice)の有無:特に低額クラスは割れ米が混ざりやすい。割れ米が多いと炊き上がりがべちゃべちゃになりやすい。
- 色や透明感:白く濁った未成熟粒が混じっていないか確認。
※extra fancyと書いてあるお米はbroken riceの含有量が4%以下という意味
- パッケージの日付表示
- カナダ産は “Packaged on”(包装日) と “Best before”(賞味期限)のみがほとんど。
- 日本からの輸入米には “Milled on”(精米日)が記載されている場合がある。
- できるだけ新しいものを購入する
- 用途に応じて選ぶ
- 基本的に味や品質は値段に比例する
- すぐに食べるなら大差ないが、冷めると違いが顕著になることがある。用途が寿司や弁当の場合は冷めても固くならないものを選ぶ
- 「回転の良さそうな店」「品質管理の良さそうな店」で購入する
カナダで購入できる日本米風ライスの価格帯別リスト
以下では、カナダ(主にトロント周辺)で手に入りやすい日本米風ライスを、高額クラス/普通クラス/低額クラス の3つに分けて整理しました。
各銘柄の特徴や産地、注意点をまとめていますので、購入の参考にしてください。
高額クラス(Premium)
銘柄(読み) | 粒のタイプ | 産地・品種 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|
田牧米ゴールド (たまきまい) | 短粒種 | カリフォルニア産コシヒカリ | – この中で最も価格が高く、味も最高峰 – 冷めてもおいしいのでおにぎり向き – 胚芽米バージョンもあり – 「クラシック」 も短粒種だが別品種(コシヒカリ+カルヒカリのブレンド) |
かがやき | 短粒種 | カリフォルニア産コシヒカリ | – 高級コシヒカリとして流通 – もっちりした食感が特徴 |
雪のかけら | 短粒種 | カリフォルニア産ミルキークイーン | – 軽いもちもち感があるミルキークイーン使用 – 冷めても粘りが残る – 流通量が少ないため、見つけたらラッキー |
望(のぞみ) | 短粒種 | カリフォルニア産コシヒカリ | – 最高級クラスのコシヒカリ – 風味・香りともに優秀 |
ひとめぼれ | 短粒種 | カリフォルニア産ひとめぼれ | – コシヒカリほど粘りは強くないが、やわらかめで食べやすい |
あきたおとめ | 短粒種 | カリフォルニア産アキタコマチ | – アキタコマチの特徴である甘みと粘りを再現 |
夢 | 短粒種 | カリフォルニア産ササニシキ | – さっぱりした食感が特徴で、寿司向き – 冷凍すると味が落ちやすい |
玉錦(たまにしき) | 短粒種 | カリフォルニア産コシヒカリ+ゆめごこち | – カナダの中華系・韓国系スーパーで見かける – 冷凍保存で食感が劣化しやすい |
品種の特徴:
コシヒカリ
粘り・甘み・つや・うまみが優れ、味の濃いおかずやおにぎりに向く。
ササニシキ
粘りが少なくさっぱりしているため、寿司に向く他、冷めても固くなりにくいのでお弁当にも向く。

普通クラス(Standard)
銘柄(読み) | 粒のタイプ | 産地・品種 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|
錦米(にしきまい) | 中粒米 | カリフォルニア産 M401 | – 味と価格のバランスが良く、入手しやすい – 炊き立ては日本米に近いが、冷めると硬くなる – ローカル/中華系/韓国系スーパーでもよく見かける – 玄米・早炊き玄米・胚芽米・無洗米のバリエーションあり – 2lbs の小袋や 1 食用カップ入りなどサイズ展開が豊富 |
国寶ROSE(こくほうローズ) | 中粒米 | カリフォルニア産 M401 | – 錦米と同じ M401 品種の別ブランド(赤い袋が目印) – 味と価格のバランスが良く、同じく入手しやすい – 炊き立ては日本米に近いが、冷めると硬くなる – ローカル/中華系/韓国系スーパーでもよく見かける |
M401 とは?
カリフォルニア州で開発された中粒のジャポニカ米。Calrose(カルローズ)系のひとつ。日本米に近い粘りとおいしさを手ごろな価格で楽しめる。

低額クラス(Budget)
銘柄(読み) | 粒のタイプ | 産地・品種 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|
雪花(せっか) | 中粒米 | カリフォルニア産 M401 + Calrose ブレンド | – M401 と Calrose をミックス – 粘りはほどほどで、コスパ重視向き |
国寶RICE(こくほうライス) | 中粒米 | カリフォルニア産 Calrose | – 黄色い袋が目印 – Broken Rice(砕精米)を4%以上含む – 流通量は多いが、割れ米が混ざっているため注意 |
BOTAN | 中粒米 | カリフォルニア産 Calrose | – Broken Rice を4%以上含む – 最も安価な Calrose ブランドのひとつ |
白菊(しらぎく) | 中粒米 | カリフォルニア産 Calrose | – Broken Rice を4%以上含む |
Calrose/Sushi Rice | 中粒米 | カリフォルニア産 Calrose | – スーパーの PB(プライベートブランド)やさまざまなメーカーから同名で販売 – どれも粒がやや長めの中粒、品質はまちまち |
エジプト産ジャポニカ米 | 中粒~短粒 | エジプト産(日本由来ジャポニカ種) | – エジプトに定着した日本由来の短粒種がアラブ系食材店で見つかることも – 外観が日本米に似ているが、粘りはやや控えめ |
韓国系 Rhee Chun Rice | 中粒米 | 韓国産ジャポニカ種 | – 韓国系スーパーで販売されることが多い – 比較的安価だが、日本米ほどの粘りはない |

海外でも「日本的ごはん時間」は叶います
慣れない土地でも、真っ白なごはんが食べられるとホッとしますね。現地で手に入るお米でも、銘柄や炊き方次第で日本のご飯に近づけることができます。
お鍋でおいしくご飯をたく方法はこちらをご覧ください
べちゃべちゃに炊けちゃった・固いごはんになっちゃったというときの救済レシピはこちらをご覧ください
感慨:
30年前にカナダで初めて食べたカリフォルニア米は「国寶ROSE」でした。その後、「錦米」を知って乗り換え、さらに「田牧米」を知ってからはずっと「田牧米」を食べていました。日本からの輸入米は、その当時は見かけたことがありませんでした。
今回、久しぶりにカナダを訪れてみて、お米の種類がこんなに多いことに驚きました。※2023年7月、カナダ東部・トロント周辺の状況です。
海外で日本に近いお米を探す時に役立つ英語

1. お米の粒の長さ(Grain Length)
日本語 | 英語 |
---|---|
長粒米 | Long Grain Rice |
中粒米 | Medium Grain Rice |
短粒米 | Short Grain Rice |
ポイント
- 短粒米 (Short Grain Rice) は、日本人好みの「香り」「粘り」「甘み」があります。
- 冷めても香りと粘りが残るため、おにぎりやお弁当にも向いています。

2. 日本っぽいお米の食感を表す単語
日本語 | 英語 | 例・補足 |
---|---|---|
もちもちしている | sticky / springy / glutinous | – sticky:べたべたする、ねばねばする – springy:弾力がある – glutinous:粘着質の |
柔らかい | soft / tender | |
しっとりしている | moist | |
甘い | sweet | |
かみごたえがある | chewy |
使い方例
- Japanese rice is sticky.
(日本の米は粘りがあります)
※注意:”sticky rice” は「もち米」を指す場合もあるため、文脈に応じて使い分けをしてください - Japanese rice has a sticky, chewy texture.
(日本の米はもちもちした食感があります) - The texture of Japanese rice is tender and moist.
(日本の米の食感は柔らかく、しっとりしています)
3. お米に関連する基本単語
日本語 | 英語 |
---|---|
主食 | staple food |
米 | rice |
ごはん | boiled rice / steamed rice / cooked rice |
生米 | raw rice / uncooked rice |
玄米 | brown rice / unpolished rice / husked rice |
米一粒 | a rice grain / a grain of rice |
精白米 | white rice / polished rice / milled rice |
もち米 | sticky rice / glutinous rice / sweet rice |
4. 賞味期限・消費期限の英語
日本語 | 英語 | 説明 |
---|---|---|
賞味期限 | Best-before date / Best-by date | おいしく食べられる期限 (品質は落ちる可能性があるが、食べても安全) |
消費期限 | Use-by date / Expiration date / Expiry date | 安全に食べられる期限 (この日を過ぎると安全性が保証されない) |
これらの表現を知って入れば、海外のスーパーマーケットや食材店で日本米風のお米を探す際や、商品のラベルを読むときに役立ちますね。ぜひ覚えて、ショッピングや英語学習に活かしてください!